2024/11/09
皆さんこんにちは。
先日、ロンドン・リバプール・ヨークを含めて、イングランド国内をいくつか回ってきました。大英帝国はかつて、経済・法律・テクノロジー・トレンド、それら全ての中心にありました。それら古き源泉を訪ねることにより今後の自分の職業や生き方に活かせるヒントを得たいという思いを馳せ、かの地に向かってみました。
モチロン!
UKロックゆかりの地もいくつか巡ってみましたよ。
実はそれが重要な目的の一つでもあったのですが。
ということでもちろん聴いているのは
『Every Breath You Take』(THE POLICE)
バンド名が「ザ警察」ってすごい!
ガチャガチャしたのが流行っていた80年代にスリーピースでメロウな曲づくり。この曲のモノクロ仕立てのPVも好きです。
ん、日本にも「頭脳警察」というとんでもない名称のバンドがあったような気がしますね。
さて
古きを訪ねに行った私ですが
現在の経済事情および今後の将来動向に向けての参考と刺激が得られ
今回はそれらを書いてみます。
まず通貨のキャッシュレス化についてーーーーーーーーーーーーーーー
イングランドでは大都市から離れた各地方でもキャッシュレス決済がデフォルトでした。もちろん紙幣や硬貨などのキャッシュ支払いも可能ですが、会計時に「キャッシュ使えますか?」と尋ねる必要性を感じました。
1か所だけキャッシュが使えないお店もありました。
(ロンドンのデパートだったかな)
外国人の私としてみると、その国の紙幣や硬貨に慣れていないこともあり、正しくお釣りが返されたのかも分からない点を踏まえると、クレジットカードで決済した方が会計がスムーズであり、釣銭を気にする必要もなく楽でした。
財布の中から必要なコインを取り出そうとしてガソゴソ不慣れな姿を周囲に見せてまごついていると、それだけで犯罪を呼び寄せるであろう危険性も感じました。
こんな話もあるそうですよ。
紙幣50ポンドは普段からあまり使われないみたいでして
受け取った側も「本物なのか?」と疑ってしまうそうなのです。
人種および就ける職業 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いかにも「英国!」という物品類が並ぶ土産物店は、移民やその子息のような肌の色が浅黒い感じの人達がほとんどでした。それはロンドンでもリバプールでもヨークでも。ヒースロー空港内のセキュリティチェックのような手前さばきのような担当もそうでした。一方で、伝統的な宿や有名デパートのカウンターは現地のイギリス人であろうと思われる白人と接見することがほとんどでした。受付を済ませた後、宿の中のバーに入るとそこで働く人々の肌の色は様々でした。
やはり“見た目”による就きやすい仕事とそうでない仕事の選別があるのかもしれません。
この先、海外労働力を受け入れることとなると、このような仕事の棲み分けは自然と生じてくるであろう未来図も思い描かれました。
いや、既にそのような構図は描かれ始めているのでしょう。
「今のロンドンの多くは移民だよ。約6割が移民じゃないかな。」
「本当のロンドン子は4割程度だよ。」
というような話も聞きました。
ロンドンのTUBE(地下鉄)車両内ではキリル系言語も飛び交っていました。
日本の良いところが見えてくるーーーーーーーーーーーーーーーーー
外の国を見てくると、今いる自身の環境との比較ができるということを改めて印象づけられたのが今回の大きな収穫です。自他の比較という行為では、他の良い所ばかりに目を向けて、他を倣うことばかりに意識が行きがちですが、今回、僕は日本の良さを思う所もありました。何でもかんでも西欧諸国のシステムが良いということではなく、僕たちは僕たちなりの良さを世界に向けてアピールすることが大事なんじゃないかなと思えたのです。その意味では、労働法規、労働者の権利、環境問題×テクノロジー、会計制度etc. これらを追随していかなければならないところですが、
“日本独自の考え方およびその作法を残す”
“どうやって対等に渉りあうか”
ということも僕たちは同時に考えなければならない気がしました。
思いついた良い点をいくつか挙げてみましょう
・日本は紙幣硬貨の種類が少なく大きく姿が変わっていないため使いやすい
・日本は紙幣硬貨に対する信用度が高い、つまりは社会信用力が高い
・賃金が高くても物価も高いのであれば相対的に豊かさは向上していない
物価の上昇を緩やかに抑えつつ賃金がそれを上回る速度で上昇していくのであれば、日本は諸外国に比べて相対的に豊かとも言えるかもしれない。
“豊かさ”とは相対的かつ主観的なものである ということも改めて学びになりました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こうした彼我の対比を考え進めると
“日本の良さを活かした世界との渉り方とは何だろう”ということに行きつきます。
全てにおいて西欧諸国を優として無慈悲に倣うのではなく、大きなトレンドから逸してレースの棄権者とみなされないように注意しながらも、何らか僕たち日本人なりの良さを出しながら経済的に成功する手法が無いのだろうかということを模索していきたい。このように思うわけです。
そうした志向が
時流の流れに 逆らうものなのか
時流の流れに 飲まれてしまうものなのか
時流の流れを 変えるであろう先頭に立てるのか
1904年(明治37年)3月下旬
高橋是清と秘書の深井英吾はロンドンの地に着きました。
日露戦争の戦費調達の為、「他に適任者がいない」という理由をしぶしぶ呑み込み、ロンドンとニューヨークで日本の公債募集という、極めて困難な任務をその胆力と偶然の積み重ねで成し遂げたのです。
それから120年が経ちましたが、彼等が苦渋の顔の中に微かな希望を抱きながら、このロンドン中心地を歩いていたのかなと思いを重ね、僕も歩いて来ました。
今や当時とは世界の先頭を走るリーダーたる国は入れ替わってしまいましたが。
今回の画像は大英図書館です。
図書館内に無料の国宝展示場がありまして
その中に、マグナ・カルタ(Magna Carta)が展示されております。
労働法規を扱う者として、古(いにしえ)の憲法を一目見て感慨にふけりたい思いに駆られ立たのが今回の視察の動機です。
1215年に制定されたこの憲法、今も一部有効法規なんです。
これはすごいことだと思いませんか?
さて
考えやアイデアの着想を得るためにも
諸外国を巡ってみるのも有効だなと感じました。
今の自分のアイデアや考え方、思考の在り方を客観視するにも、いつもと違う世界を覗いてみることが僕にとっては刺激になるものなのですね。
短期滞在であれば身振り手振りで通せますが、語学力を鍛え上げないと長期間での現地生活は厳しいなと痛切な課題も認識しました。
息を吐く姿をひと時も目を離さずに見つめながら(Every Breath You Take)
英語フレーズを覚えていかねば!