2019/05/15
みなさんこんにちは。
ブログ更新を頑張っている 所長の飯田保夫です。
5月中旬に、旅館業をご経営されている方々向けに、働き方改革関連法の説明と、サービス業における人材不足と生産性についての場を座談会形式で実施します。埼玉県の西秩父商工会様からご依頼をいただきまして実施します。
サービス業の人手不足と収益維持について、人事労務の面から向き合ってみたいと思います。
さて、今回は 外国人労働者関連の話題の高まりに合わせまして、海外の家族を社会保険の扶養に追加する場合について記します。
一昨年くらいでしたでしょうか、日本での高額療養費制度を利用し手術費用を安く抑える目的の為に、申請以前には扶養実態のない親を来日前に扶養追加するという行為が目立つというニュースが報道されていたのも記憶に新しいところであります。
こうした事案の発生を受けまして、扶養認定要件が厳格化される傾向にあります。私個人的には、厳格化も仕方なし、とは思います。国の保険財政のことを考えますと。
身近なところに話題を移します。
日本の社会保険を取得した外国人労働者から、「海外の家族を扶養に入れたい」との相談をされた場合はどうなるのでしょうか。
基本的には、
日本人従業員の家族であろうと外国人労働者の家族と被扶養者としての認定要件は変わりません。
◆2大要件 (生計維持)
①被扶養者の年収が130万円未満かどうか
②被扶養者の年収が被保険者の収入未満かどうか
※①は60歳以上や障害者の場合は180万円未満となります。
※②は被保険者と同居の場合は、年収が被保険者の収入の1/2未満であることとなります。
これらの要件は同じなのですが、
上記の要件基準を判別するための海外被扶養者事実確認の具体的な添付書類等において注意すべき点があります。
Ⅰ 翻訳された収入の証明書 と 翻訳者の署名
収入要件の証拠書類が外国語で記載がされている場合は、その翻訳を行った上で、翻訳者の署名が必要になります。
Ⅱ 仕送りなどの送金事実が分かるものの提出
仕送りなどの送金を行っている場合には、送金の事実を示す書類(金融機関の受付書類等)が必要になります
これらのI&Ⅱの対応進める中で、外国人労働者の家族扶養に特徴的なのが、被扶養者(家族)の収入要件を示す際に、
・健康保険の通貨単位が「円」のため、為替レートで返還した後、130万円未満かどうかを判別する
・国や済んでいる地域によっては、家族の収入を示す公的な書類を得るのが難しい場合もある
実際にこうした添付書類を収集するには相当の時間を要したり、あるいは収集自体が困難であったりすることも予想されます。
もし外国人労働者から海外居住の家族扶養の件で相談を受けましたら、これらの書類収集が可能か否かを早期に伝えておく必要があるでしょう。
▼追記情報
外国人労働者政策の一環としまして、厚生年金の脱出一時金の時効を5年にしようと審議が進んでいます。家族扶養は厳格化されていきますが、本人が帰国する際には、就労中にかけた厚生年金の負担分が戻りやすくなりますね。