2018/11/01
皆様お久しぶりです。
社会保険労務士飯田事務所の前嶋です。
最近なかなか更新できずに申し訳ありません。
実は弊所は今、助成金の支給申請ラッシュ+事業実施期間に入っておりまして、前嶋もこの対応に追われております。
前嶋だけでも先月4件の支給申請に携わらせていただきました。
お客様のご協力もあって、無事余裕を持って期日までに提出することができ、自分のスケジュール管理に対してとても自信がつきました。この調子で全てのお客様が無事受給できるまで頑張りたいと思います。
さて、一つ前の記事で佐川が事務所のみんなで製粉工場に行った時のお話を書いておりましたので、私も同じ日に思った別のことを書いてみようと思います。
題して飲食店の経営を成功させるにはどうしたらいいかです。
なんで前嶋がこんなことを考えたかと申しますと、実は9月に顧問先のお客様(介護事業所様)の内覧会がありまして、事務所のみんなでお祝いをしに行ったのです。
その時に、お昼を駅の近くのベジタリアン料理のお店で食べたのです。
そこはとてもきれいなお店で、おそらく開店して間もない新規オープンのお店だったのではないかと思います。
店内のインテリアも統一されておりましたし、ご飯も生野菜が苦手な前嶋でも食べられました。(生野菜が苦手なだけで、煮た野菜は大好きなんです。)
しかし、お昼時なのに、私たち以外お客さんがいなかったのです。
一時間くらいは滞在していたのですが、その間誰も入店してきませんでした。
店内を出た後、さっそく飯田が何でだと思う?と言いました。
飯田の見立てでは、お店を出した立地のリサーチ不足ではないかというのです。
確かに、駅前にはとても広い道路があり、車はたくさん走っていますが、歩いている人はほとんど見かけませんでした。
そのお店には駐車場はおろか、駐輪場もない、徒歩の人向けのお店でした。
そのお店の近くに住む私の友人も「移動はたいてい車だね」と言っていました。
「車が停められないから、誰も来ないのか?」
それは確かにあるかもしれません。
けれど本当にそれだけなのだろうか?
前嶋は考えてみました。
さて、これを考えるに当たってまずは比較対象を探したところ、私の勤める大塚にいいお店がありました。
おにぎり専門店の「ぼんご」さんです(画像は食べログから借用させていただきました。
引用URL:https://tabelog.com/tokyo/A1323/A132302/13003791/)!
前嶋は炭水化物が大好きなのでおにぎりも大好きです。本日も「ぼんご」さんに食べに行きました。
12時~13時が私の休憩時間なのですが、事務所を出て5分~7分くらいで「ぼんご」さんに着きました。その時点でもうお店に入りきらなくてお客さんが列を作っている状態でした。私が席に着けたのは12時40分、約20分ほど待ちました。
その間列に並んでいる人、店内の動線、おにぎりが出てくるまでの時間などをチェックしていたのですが、気づいたことを上げていきます。
① 列に並んでいた20分で列を離れたお客さんは1人のみ。後のお客さんはずっと待っていました。
② 店内はŁ字のカウンター席のみ。Ł字の内側で店員さんが3人分業(おにぎりを作る人、味噌汁をよそう人、会計と給仕をする人)で働いていました。
③ ランチタイムはおにぎり2個セット(味噌汁付き)と3個セット(味噌汁付き)を頼む客かお持ち帰りの人がほとんどでした。
④ 私が注文してからおにぎりが出てくるまでの時間は10分以内でした。
この①~④を言い換えるとこうなります。
① 並んででも食べたいと思わせる魅力がある
② 動線をŁ字の内側のみにし、さらに分業することで効率と生産性を高める
③ さらに客の注文を操作することで値段を2択(570円と820円)に限定。これで会計時のもたつきも解消。
④ ②と③の結果、超短時間で成果物が客に届く。
お判りいただけますか?
「ぼんご」さんのすごさはおにぎりの美味しさだけではないのです。
この①~④はものすごく考えられた結果生まれた生産ラインなのです。
もちろん最初からこうはいかなかったでしょう。
けれど考えることを止めず、試行錯誤を続けたからこそ、「ぼんご」さんは繁盛店になれたのです。
また①の魅力ですが、②~④こそが魅力なので常連客であれば、中に入ってしまえば早く食べられると知っているので待てるところもあるのではないでしょうか?
さて、ここで事例1のお店に戻ってみましょう。
事例1のお店は、残念ながら「ぼんご」さんから得た生産性を高めるための独自の工夫をこれと言って見つけられませんでした。
もちろん、生産性が高ければ繁盛する、とは一概には言えません。
しかし、お腹がすいている時ほど早く料理が出てくると、とても嬉しいものです。
また、生産性以外の観点でも、事例1のお店には弱点があったように思います。
それは何か。
答えは「お店が求めているお客さんがその場所に存在しないこと」です。
以前、私はドラッガーのマネジメントを少し勉強して、採用活動に臨んだことがありました。その時、自分たちの商品を買ってくれる架空の人物像、ペルソナを作ることを学びました。
おそらく、事例1のお店の方々もペルソナを作られていたのだと思います。
・20~30代の健康意識が高い女性
・カロリーを気にせずお肉が食べたいダイエット中の女性。
・シャビーシック、白いフレンチスタイル、とような可愛らしさを好む。
・目新しい食べ物やきれいに盛り付けられた料理を写真に収めるのが好き。そしてインスタグラムに投稿する。
・ランチで1000円~1500円使っても全然大丈夫。
例えばこんな感じだったのではないか、と。
こういう女性はたくさんいます。ものすごくいます。
しかし、私たちの食べた事例1のお店の近くに彼女たちが存在したかは疑問です。
お客さんになりそうな人がいるのは駅反対側の醤油工場と製粉工場、少し離れた所に市役所を含む合同庁舎があるのみなのです。
そこにお店の求める人物がいたとしても、これらの職場には社員食堂があります。わざわざ少し離れた所のここまで来るとはとても思えません。
また、その県の最低賃金は関東の中では一番低いのです。若い女性で毎日ランチに1000円から1500円使える人がいるとは思えません。
故に、お店が求めるようなお客さんは現れない。
だからお昼時でも私たちしかお客さんはいなかったのです。
では、「ぼんご」さんのペルソナは大塚にいるのでしょうか。
私なりに「ぼんご」さんでもペルソナを考えてみました。
・食べ盛りの20代から50代くらいの齢層
・とにかく忙しい、スピード重視
・ご飯を食べるのに時間をかけたくない
・お昼にお金を使いたくないので500円から1000円いかない金額でお腹いっぱい食べたい(これはお小遣い制度で制約がある人も想定)
・でもおいしいことに越したことはない
・毎日食べても飽きないお店があったらそこにばかり行きたい(店を選ぶのも面倒)
・早く食べられることが最優先事項なので、内装とか特に気にしない
・さっと入ってすぐ出られる所がいい
こんなところでいかがでしょうか?
簡単に言うと、外回りの多い、食べ盛りのサラリーマンがターゲット、といったところでしょうか?
こういう人は大塚駅前にたくさんいます。
ものすごくいます。
だから繁盛しているのです。
この二つの事例を通して、飲食店を成功させるには①事前努力と②たゆまぬ努力この二つが必要なのだと前嶋は導き出しました。
① 事前努力:ペルソナを作ってその人物がいそうなところで店を構える
② たゆまぬ努力:実際に来てくれたお客さんが求めているものは何か、それを提供するには自分たちはどう変わればいいのか、繰り返し試行錯誤する
いかがでしたでしょうか?
もっともこれは社労士事務所の職員の一人の考えです。本当にこれが正しいのかは私が飲食店を経営してみないとわからないことでしょう。
ですが、色んなお客さんの立場になってものを考えるのが私たちの仕事です。
これからもこうした小さなトレーニングを積んで皆様のお役に立てるように頑張ります。